週末、スーパーでお買い得な魚を探すことが日課となっている今日このごろ。そんなある日、いつものお店で超お買得な魚と出会ってしまいました。それは…
「マグロのあら」。
魚のあらは基本的に加熱用で生食NG。しかしこれが非常に発色良く、ギンギンにそそるオーラを放っていたので、美味しそうな部分を切り取って刺身で食べてみると…やはりマグロ、めちゃうまいっ!…そしてお腹の調子も…問題なし…!
単に美味しいだけでなく、より良質なマグロを探す楽しさ、そして圧倒的な安さ…これはハマってしまいそうです。
そこで今回はその経験をもとに、マグロのあらの生食について、そのコストパフォーマンス、選別ポイント、美味しい食べ方をまとめておきたいと思います。
コスパ最強!?マグロのあらの刺身
はじめに、マグロのあらのコストパフォーマンスについて考えてみます。
先日、スーパーで売っていた本マグロ中トロの単価は1300円/100g。本マグロ赤身で800円/100g。対して、同じ店で今回見つけた本マグロのあらの単価は、50円/100g。
単価 | |
中トロ | 1300円 |
赤身 | 800円 |
あら | 50円 |
単価を単純に比較すると、マグロのあらの値段は赤身や中トロの16〜26分の1になります…が、マグロのあらには生では食べられない血合いが大部分を占めていますので、それを削ぎ落とし、生で食べられる部分のみで比較する必要があります。
実際購入したマグロのあらから削ぎ落とした血合いは全体の約80%。これを踏まえて単価を算出すると250円/100g。つまり歩留まり率を考慮しても3〜5倍はお得になる計算です。
こちらが今回購入したマグロのあら。ここから血合いを削ぎ落とし、最終的に…
海鮮丼にしていただきました。アジが安くて刺し身と漬けに。そして右側の赤いのがマグロのあら。テリ感が食欲をそそります。程よく脂がのっていて、めちゃくちゃ美味しい!
たっぷり5人前できました。家族にも大好評。
ただ、加熱用を生で食べる訳ですから、何かあっても自己責任となります。リスクを負ってこそ得られるコストパフォーマンスであることにご留意ください。
マグロのあらの選別ポイント
ここで、美味しくて新鮮なマグロのあらを選別するポイントを整理します。私が意識しているのは次の3点。
- 店内で魚を捌いている魚売場
- 陳列直後が勝負
- 色鮮やかでドリップが出ていないか
これらについて以下で解説します。
店内で魚を捌いている魚売場
ポイントの1つ目は「店内で魚を捌いている」こと。
なぜなら、マグロのあらは血合いが多く劣化が早いため、できるだけ捌いて間もないものを手に入れたいからです。
別の場所で捌いてパッケージされたものを陳列するお店では、生で食べられるような新鮮なあらには出会えません。
陳列直後が勝負
ポイントの2つ目は「陳列直後」を狙うこと。
その理由は前述の通り、捌いて間もないものをできるだけ早くゲットするためでもありますが、それ以上に重要な理由がもう一つあります。
それは、「早い者勝ち」を制するためです。
魚のあらは部位によって当たりハズレの差が激しいため、良いものは一瞬にしてさらわれてしまう可能性大。あらの陳列を虎視眈々と待ち構える猛者も結構います。
陳列のタイミングはお店によって異なるので予測が難しいですが、運良く遭遇したときは迷わずカゴに入れたいところです。
色の鮮やかなもの、ドリップの少ないものを選ぶ
陳列直後に良質なあらを誰よりも先にゲットするためには、それを素早く選別する「選魚眼」を養っておきたいところ。
美味しいマグロのあらの選別ポイントとしては
- 「色の鮮やかなもの」
- 「ドリップの少ないもの」
この2点を両方満たすものが良いと思います。
先日、冷凍ホタテを刺身で食べたのですが、解凍の際に出たドリップに浸ってしまったものは生臭く、美味しさ半減でした。
トレイに溜まった汁に身が浸かってしまっていたりすると、いくら色が良くても生臭くなり刺身では厳しいのでやめた方がいいでしょう。
マグロのあらを生で美味しく食べる方法
次に、マグロのあらを生で美味しく食べる方法について考えてみます。
持ち帰ってすぐ処理する
あらを生で食べるなら、まずは持ち帰って即処理すべきです。先述の通り、時間の経過とともにトレイにドリップや血が溜まり、劣化を著しく早める原因になります。
洗ったほうがいいのか?
私がマグロのあらの処理方法で最も気になったのが「洗うか否か」問題。
魚は真水に触れると浸透圧の関係で水を吸って旨味が逃げてしまいますが、あらはもともと生食用でないため、捌いたあと雑に扱われ細菌が繁殖している可能性もあり、洗わないのも衛生的に不安です。
私としては気持ち良く食べるために、とりあえず一度は洗いたい。だた極力味を落としたくない…ということで、以下の方法を実践しました。
- 3秒水道水ですすぐ
- その後、即、塩水に漬けながら洗う。
- 水分をきれいに拭き取る
- 不要な部分をカットする
なお、塩水につけることで特に塩辛くなってしまうことはありませんでした。ちなみに塩水の濃度は、海水と同じ3%。これで身が痛むことを防げます。
今回はこの方法で美味しくいただくことができました。
マグロのあらの刺身はお得で美味しかった
以上、マグロのあらの生食について、コスパや選別ポイント、美味しい食べ方をまとめました。
今回、マグロのあらは生食でとても美味しく食べることができましたが、くどいようですが加熱用を自己責任で生で食べる訳で、今回ご紹介した方法が絶対に安全とは限りませんのでご注意ください。
お得に美味しいお魚を食べて、皆さんのフィッシュライフがより充実になることをお祈りします。
なお、美味しいお魚については以下の記事でも紹介していますのでご参考まで。
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また、スーパーの魚ではオススメできませんが、血抜きしてきちんと締めた魚は、熟成することで旨味を増幅することができるのでこちらもご参考ください。
皆さんは魚の熟成方法をご存知でしょうか。魚は釣りたてが一番美味しいと思われがちですが、旨味を引き出した熟成魚の味は更に格別。「本当に旨い魚」を堪能したい方は、魚の熟成に是非とも挑戦していただきたいところです。ただ、魚の熟成は[…]