【どっちがうまい?】トラウトサーモンとアトランティックサーモンを食べ比べ!

  • 2021年1月20日
  • 料理
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魚の食べ比べについては、これまでマダイとチダイ、カレイなどについて以下の記事で紹介させていただいた。

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カレイ1

今回のターゲットは、どこのスーパーにも必ずと言っていいほど並んでいる、お刺身の定番「サーモン」

このサーモンも種類が豊富な魚種だが、今回は最近スーパーでよく見かける「トラウトサーモン」と「アトランティックサーモン」について整理し、食べ比べてみる

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トラウトサーモンとは?

ニジマス

出典:web魚図鑑

トラウトサーモンは、人工的に作り出され食用に養殖されたニジマスのこと。

もう少し詳しく説明すると、品種改良された大型ニジマス(ドナルドソンニジマス)と、海に下るニジマス(スチールヘッド)を掛け合わせたものらしい(参考:市場魚貝類図鑑)。

マスなの?サケなの?

トラウトサーモンはドナルドソンニジマスとスチールヘッドを掛け合わせたニジマスの改良種。しかし、マスとマスの掛け合わせが、何故か「サーモン」と呼ばれている。実際マスなの?サケなの?

そういえば、私が学生時代にデパ地下でバイトをしていた頃、隣の和惣菜屋の店長は、それを客に「マスとサケの合の子」だと説明していた。

いやいや、違うから!マス同士の子なのは紛れもない事実なのだから、そこは全否定したいところだが…実はこれがあながち間違いとも言えないようなのだ。

というのも、海外では、淡水のニジマスを「トラウト」、海水まで行くニジマスを「サーモン」と呼称するらしいのだ。これを各々直訳すると、確かにマスとサケになる

お店側としては客に対し簡潔明瞭に説明し、最終的にはその魚を買ってもらわなければならない。そんな状況で「ドナルドソンニジマス」やら「スチールヘッド」など、怪魚感満載な実名を語ろうものなら、気持ち悪くて食べる気が失せ、客足は遠退く一方であろう。

そう考えると、「マスとサケの合の子」とは実に秀逸な回答だ。今更ながら惣菜屋の店長には敬意を表したい。

更に分類学から追うと、マス全般は昔は「ニジマス属」であったらしいのだが、1988年以降、それが「サケ属」に統合されたのだとか。

これでニジマス同士を掛け合わせであるトラウトサーモンも、サケ(=サーモン)を名乗るお墨付きを得たと解釈すれば、トラウトサーモンはマスでもあり、ある意味サケとも呼べると、何となく腑に落ちる。

トラウトサーモンの味は?

さて、そんなトラウトサーモンの味はいかほどだろう。

今回のサンプルとして、スーパーで目を付けた刺身用のトラウトサーモンがこちら。

トラウトサーモンの刺身

うむ。紅白のキレイなコントラスト。

食べてみると…やぁうまい!

このハッキリとした色合い通り、強い脂の存在感と同時に、赤身自体が旨味もしっかりと主張してくる。赤と白の二重奏は舌の上で溶け合い、重厚な深みを奏でる。

よくサーモンの目利きとして、「赤色の鮮やかな物を選べ」と聞くが、今回もなるべく色の濃いものを選んだ。結果、鮮度もよく、当たりを引けたようだ。

アトランティックサーモンとは?

タイセイヨウサケ

出典:WEB魚図鑑

アトランティックサーモンは「タイセイヨウサケ」と言われるサケ目サケ科の魚。

トラウトサーモンのような「サケと言えばサケ」的な感じでなく、正真正銘のサケらしいのだが、分類学的には「サルモ属」とされている。

なぜ正真正銘のサケが「サケ属」でなく「サルモ属」なんて意味不明な名称の属なのか。…いや、まさかサーモン=salmonでsalmoなのか!?

ただ、そのサルモ属にはブラウントラウトがいて、じゃあブラウントラウトはサケかマスかみたいな疑問がまた沸いてくるのだが…。

もう収拾が付かなくなるのでそっちを掘り下げるのはよそう…鮭とマスの関係は奥が深く、突き詰めようとすると非常に難解だ。というかサケの定義が不明確で「これはサケか否か」という問い自体が愚なのかもしれない。ひとまず分かりやすくまとまっていた下表の通り…として先へ進むとしよう。

サーモンの分類図

出典:北海道大学

アトランティックサーモンの味

さて、そんなアトランティックサーモン。肝心の味の方はどうだろう。スーパーで前述のトラウトサーモンと一緒に買ったサンプルがこちら。

アトランティックサーモン2

見た目はトラウトサーモンと比べると赤が薄い感じ。

味の方は…うん、確かにうまい。しかし、先に食べたトラウトサーモンと比べ、魚の旨味が薄い。これも見た目どおり。

赤身より脂の主張が勝って、少し大味な感じがした。また脂に少し臭みも感じた。

トラウトサーモンの方が美味しかった

トラウトサーモンの刺身2

トラウトサーモンとアトランティックサーモンを味比べし、どちらが美味しいか検証した結果、個人的にはトラウトサーモンの方が美味しいと感じた

購入価格も含めて結果をまとめると以下の通り。

名称価格 (kg/円)美味しさ
トラウトサーモン330
アトランティックサーモン390

正直どちらもお買い得とは言えない価格だが、安いトラウトサーモンの方が美味しかったことは収穫だった。魚はやはり値段ではないことを再確認できた。

ちなみに、トラウトサーモンのパッケージには「生のまま空輸しています」の文字が。更に産地はノルウェー。キレイな水で厳正に管理された、品質の高さで評判の「フィヨルドトラウト」だ。

一方、アトランティックサーモンについては産地については確認を怠りデータなし。おそらくノルウェーだったと思うのだが…。

今回はトラウトサーモンに軍配が上がったが、アトランティックサーモンのサンプルがいまいちだったのが少し心残りだ。COSTCOのアトランティックサーモンなら違った結果になっただろうか。また折を見て検証してみたい。

なお、美味しい魚をランキングにしてみたので以下はご参考まで。

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