生のホタルイカのおいしい食べ方を、皆さんはご存知でしょうか?
ホタルイカはきちんと下処理するか否かで、食味に雲泥の差が出る食材なんですよね。
ところで我が家では今年、格安の生ホタルイカを大量に衝動買いし、この夏まで来る日も来る日もホタルイカと、それはもう本当にホタルイカまみれな日々を送ってきました…。
冷凍庫のスペースを空けるために、嫌でもホタルイカを捌く日々が続き、手指はホタルイカ負けして若干赤く腫れ、ほんのりイカ臭くなったものの、ここにきて私もホタルイカの捌き方のコツをつかんだ…気がしています。
そこで今回は、半年間のホタルイカ修行を乗り越えたその経験をもとに、生のホタルイカをおいしく食べるために私が実践した解凍方法、下処理、その食べ方についてご紹介したいと思います。
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ホタルイカの解凍
生で肝まで食べられるホタルイカは必ず冷凍されて売っています。(ちなみにフォーシーズンというところのホタルイカは毎年安くてお買得。)
そこでまずは解凍が必要ですが、ホタルイカの解凍方法は「冷蔵庫解凍」が断然オススメ。
冷蔵庫解凍とは、冷凍されたパックをそのまま冷蔵庫に移し解凍する方法。一晩置いておけば大体解凍できます。
解凍方法は他にも
- 氷水解凍
- 流水解凍
- 常温解凍
- 電子レンジ解凍
などがありますが、色々調べてみた結果、「冷蔵庫解凍」が鮮度を保ちながら最も効率よく解凍できることがわかりました。
「氷水解凍」も美味しく解凍できますが手間がかかりますし、「流水解凍」だと繊維が破壊されやすく、また真水に当たってしまう可能性もあります。真水に当たってしまうと浸透圧の関係でどうしても鮮度が落ちてしまいます。魚もそうですが、イカも同じようです。(パックのまま行う場合も、容器の隙間から水に触れるリスクがあります。)
時間がかかるというデメリットはありますが、最高の旨さを安定して実現するなら冷蔵庫解凍が一番でしょう。
また、間違っても「電子レンジ解凍」だけは避けてください。旨味が逃げるどころか、旨さの核とも言える「肝」が爆発する可能性があります…。
ちなみに、生食用のホタルイカがなぜ冷凍されているかというと、高い確率(2~7%と言われています)で付いている寄生虫を死滅させる必要があるからです。寄生虫については以下の記事を参照のこと。
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生ホタルイカの下処理
ホタルイカの「下処理」は、具体的に「目玉をとる」「くちばしをとる」「軟骨を抜く」「洗う」の4工程で行います。この作業をイカに丁寧に素早く行えるかが重要です。
では、この子をモデルに写真付きで詳しくご紹介していきます。(長期にわたる冷凍庫生活のため、若干元気がなさそうですが…。)
目玉をとる
まず、生ホタルイカの目玉を取ります。おいしく食べるためにはこの作業は絶対に行った方がいいです。
このように、目の少し下の方の柔らかい部分をつまむ感じです。骨抜きがあるとやりやすいです。
こんな感じで引っ張ります。すると根本から…
ヌポッ…と、こんな感じできれいに取れます。
ちなみに、力加減が少し難しく、慣れないと…
ぷちっ…と目玉が破れてしまい、中から黒くて苦そうな液体が出てきちゃいます。
魚の「にが玉(胆のう)」とは違い、これを潰してしまっても、後で洗えば味に影響はあまりないと思われますが、出来れば潰さずキレイに取りたいですね。
プロはこの作業をわずか2秒で行うとか。すごい。
くちばしをとる
次にホタルイカのくちばしをとります。これも必ずやっておきましょう。
ホタルイカのくちばしは、10本の足の付け根にこのように付いています。この黒い部分の真ん中の、硬いものがくちばしです。
こいつをまた骨抜きを使って…
ぐいっと、引っこ抜きます。抜いたときに、「くこっ」と、体から切り離された手応えを感じると思います。
まわりの黒い部分も洗ってあげるとこのようにキレイになります。ついでに目玉を取った部分も手早く軽くすすぎ、水分を拭きます。
軟骨を抜く
ホタルイカの軟骨は、余裕があれば取っておきましょう。味自体に特段影響はありませんが、食べたあと口の中にコリコリと残ってしまうので、特に、生で食べた時の「つるっ」とした食感を大事にしたいなら取り除くべきです。
ホタルイカの軟骨は、正面の青丸の部分をめくって裏から骨抜きで引っ張り出します。
この角度から見ると分かりやすいでしょうか。この青丸の部分に骨抜きを入れて…
ズズッ…
ズズズズズズ…
長い、長い、こんなに長いの!?という具合に一気に気持ち良く抜き取ることができます。
洗う
最後の仕上げに、ホタルイカを洗います。私の場合、ホタルイカの鮮度により洗い方を変えています。
ホタルイカの鮮度は、キレイな黒目をしているか、胴や足に張り艶があるか、ドリップが出てグズグズになっていないか、などから判断します。
鮮度が良い場合
鮮度が良い場合は、目玉と口を取る過程でサッと水洗いし、その後水分をよく拭き取ればOKです。
なるべく水に当てず、鮮度の高い状態でいただきます。
鮮度が悪い場合
鮮度が悪い場合、特に目玉の黒さがくすみ、ドリップが多く出ている場合は、以下の手順で洗います。
- ボウルに料理酒を浸るくらい入れて、軽く混ぜるように洗う。
- ボウルに取り、水の中で数回かきまわす
- ザルにとり、水でサッとすすぐ。
- 布やペーパーで水気を取る
これによって、汚れや臭みを落とすことができます。
イカに真水を当てるのは良くないとわかっているものの、神経質な私は、気持ちよく食べるためにこのような方法で少し入念に洗います。
生ホタルイカのおいしい食べ方
生ホタルイカのおいしい食べ方として、我が家でも高評だったレシピを2つ紹介します。
ホタルイカの沖漬け
生ホタルイカをおいしく食べるなら、やはり「沖漬け(醤油漬け)」でしょう。生ならではの食感と風味を堪能できます。
味の好みはあると思いますが、私の中でのベストレシピを以下のとおり紹介します。
材料
- 生ホタルイカ(下処理済み) 約25尾
- 酒 大さじ3.5
- みりん 大さじ3.5
- 醤油 大さじ3
- めんつゆ(2倍濃縮) 大さじ1
- おろししょうが 少々
手順
- 酒とみりんを火にかけてアルコールを飛ばす。
- 底が平らな容器に、冷ました①と醤油、めんつゆ、おろししょうがを入れる。
- ホタルイカを一匹ずつ入れる。
- ふた(又はラップ)をして、冷蔵庫で一晩寝かせて完成。
ポイントは、いい酒を使うことくらいでしょうか。鮮度と下処理が出来を左右します。また、アルコールを飛ばさないと酒臭さが強くて食べづらいです。
ホタルイカのニンニクめんつゆ和え
生ホタルイカが子供に不評だったため、身をボイルしてニンニクとめんつゆで和えました。
ゆでたてのホタルイカもプリプリしていてとてもおいしいです。
こちらのメニューは子供に大好評。ただ、ボイルすると身が極端に縮むので、量がかなり少なくなり、一瞬で完食されました。
材料
- 生ホタルイカ(下処理済み) 20尾
- めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ1
- ニンニク 小さめ1片
手順
- 鍋でお湯を沸かし、沸騰したら生ホタルイカを投入する。
- 2分たったらザルにとり、容器に移す。
- ニンニクをすりおろし、めんつゆと一緒に②に和えて完成。
ポイントは生のニンニクをすりおろして使うこと。香りが全然違います。
また、麺つゆは濃縮タイプの濃いめのものを使用します。ストレートタイプだと、イカの臭味が勝ってしまい、いまいちです。
なお、茹で時間を30秒程の半生バージョンも作ってみましたが、臭味が残り子供には不評。しっかり2分茹でた方が美味しく出来ました。
茹でるとうまそうな肝がコロコロ浮いてきてなんだか勿体無い気分になりますが、茹でたてのホタルイカもなかなか旨いですよ。
生ホタルイカはそのままでも茹でても最高においしい!
以上、生のホタルイカをおいしく食べるために私が研究した解凍方法、下処理、レシピをご紹介しました。まとめると
- 解凍は「冷蔵庫解凍」が最も高鮮度。
- 目玉・くちばし・軟骨をとり、日本酒で洗う下処理が重要。
- 生のままなら沖漬け、ボイルはニンニクめんつゆ和えがイチオシ
生のホタルイカは手間がかかりますが、きちんと解凍、下処理をすれば、そのままでも茹でても最高です。ご紹介したレシピ以外にもおいしい食べ方はたくさんあります。
また、お酒を飲む方にはイチオシのおつまみフードにもなります。特に日本酒との相性は抜群。いいお酒と一緒に是非。
なお、数種類のイカを食べ比べた感想をまとめた記事もあるので興味があればご覧ください。
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以上、参考になれば幸いです。