アマダイは冬の船釣りの人気ターゲット。川馬の通う相模湾ではアマダイ釣りが比較的盛んで、秋が深まる10月から春先の3月までの長期にわたり、多くの船宿で乗合船を出しています。
アマダイはとても「釣りやすい」魚。軽い仕掛けでも狙うことができ、電動リールを使用しなくてもなんとかなります。また、相模湾でのアマダイ釣りではコマセを使わない釣り方が主流で、嫌な臭いが手に付かず初心者や女性からも人気。
そしてアマダイは、食べると最高に美味しい魚。上質な白身で、煮てよし焼いてよし揚げてよし。特にうろこをつけたまま皮を引かずに揚げる松笠揚げは、「外はカリッ、中はフワッ」。アマダイならではの絶品料理です。
アマダイ釣りの旬は冷え込みが厳しくなる12~2月の冬の時期。私は毎年この期間に、一度は必ずアマダイを釣りに行きます。
そこでアマダイシーズンが到来したこの機会に、相模湾のアマダイの攻略法として、いかにすればアマダイを数多く釣り上げることができるかを、私の使用する道具などを紹介しながら整理していきたいと思います。
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アマダイの一般的な釣法
まずは一般的なアマダイの釣法の種類を整理しておきます。
アマダイは海底に巣穴を作って生息しているため、ボートや船から海底に直に仕掛けを落とし、誘いを入れて狙う方法が最も合理的です。
その際の釣法の種類は大きく分けて以下の3種類になります。
- エサ釣り1(ノーマルタックル)
- エサ釣り2(ライトタックル)
- ルアー釣り(ジギング・タイラバ等)
上記の3つの釣り方について図解します。
アマダイのノーマルタックル仕掛け
アマダイ用のノーマルタックルの仕掛けは下図のようになります。
出典:小田原港坂口丸
釣り方は、錘を海底まで落とし、底ダナを取った後、1m程巻き上げて底スレスレに仕掛けが漂うように保ち、誘いを入れながらアタリを待つ、という形です。エサには特大オキアミが使われます。
ノーマルタックル用釣竿
アマダイ用のノーマルタックルの竿は、2m程の先調子で、錘負荷30~50号くらいのものが推奨されています。
先調子とは、魚をかけた時の竿の曲がり方が、真ん中よりやや先の方で曲がることをいい、その比率が7:3くらいからのものを言います。アマダイ用の竿としては7:3、8:2が適しています。
また、竿の錘負荷は上図では30~50号となっており、オモリ80号にマッチしていないことに疑問を覚える方もいるかもしれませんが、繊細なアタリをより明確に捉えるため、また、オモリの跳ね上がりを竿の弾力で吸収するために、このようにあえてオモリの重さに対して「負けぎ気味」に使用する方法がアマダイ釣りでは多く見受けられます。
ノーマルタックル用リール
アマダイ用のノーマルタックルのリールには、中型の電動リールが推奨されています。
50号程の軽い錘を使うなら電動リールはなくてもよいですが、図のように80号のオモリを使用するなら、手巻きで上げるのは結構しんどいため、電動が推奨されます。
PE素材のラインを4~6号を200~300m巻けるものとなっていますが、アマダイはそこまで引きの強い魚ではないため、正直5号、6号はオーバースペックです。アマダイ対策だけ考えれば3号で十分ですが、PE5号を300m巻いたリールは、アマダイ以外にもマダイ、ワラサ、オニカサゴ他、様々な釣りに対応できる汎用性を持っており、備えておいて損のないリールです。
アマダイのライトタックル仕掛け
ライトタックルによるアマダイ釣り(LTアマダイ)は最近人気の釣法の一つ。仕掛けが軽いので、魚の引きがより明確に手元に伝わり、繊細かつエキサイティングな釣りが楽しめます。仕掛け図はこちら。
出典:オフショアマガジン https://www.fishing-v.jp/premium/246_4.html
釣り方はノーマルタックルと同様です。ライトタックルの方が繊細なアタリを感じやすいため、合わせを入れるなど小技を使いながら、よりスリリングな釣りが楽しめます。
ライトタックル用釣り竿
最近のアマダイ用の専用竿は、ほとんどがライトタックルに対応できる汎用性の高い仕様になっているようです。錘負荷を確認すると分かりますが、「30号~100号」など、乗せられる負荷の幅が広いです。製品名に「アマダイ」と謳っていれば概ね問題ないはずですが、念のため錘負荷を確認して、船宿の指定するLTアマダイの仕掛けに合うか確認しておきましょう。
ライトタックル対応のアマダイ専用竿を一本例に挙げると例えば…メタリアアマダイ。
メタリアシリーズは私も一本持っていますが非常に使いやすいロッドです。
ライトタックル用リール
アマダイ用にライトタックル用のリールを買うなら、PE2号を200mほど巻ける小型電動リールがよろしいかと思います。例えばこちら。
シーボーグ200JはDAIWAの最上位モデルの小型電動リール。口コミ・評判も良好です。
シーボーグ200Jはダイワが発売する電動リール。超小型リールながら、超強力なモーターと十分な糸巻量で近海のあらゆる船釣り…
アマダイのジギング仕掛け
アマダイをジギングで狙う場合は、オフショアジギングロッドとスピニングリールのセットとなります。一般的な汎用性の高い製品の一例を挙げると、例えばロッドはDAIWAのブラスト。
自重200gを切る軽量ロッドで、上位モデル「ソルティガ」と同じロッド構造により竿自体の性能も高い一本。もちろんアマダイジギングにも対応します。
リールはこれに対応したジギング用にリールを選定するとよいかと思います。
一般的なアマダイの釣り方まとめ
以上のとおり、3つのアマダイの釣り方、仕掛け、タックル等についてご紹介しました。
なぜ同じ魚を釣るのにこのように違った釣り方が共存するのかというと、それぞれの釣法にそれぞれ違った趣向があるからだと思います。
- 重い仕掛けで深場を探り、釣果を伸ばすならノーマルタックル
- 軽い仕掛けで魚とのやり取りを楽しむならライトタックル
- 状況に応じて多様な手段の中からを最適な答えを見つけ出すゲーム性を重視するならジギング・タイラバ
ひと口にアマダイ釣りと言っても、このように様々な楽しみ方が期待できます。以上が一般的なアマダイの釣り方でした。
相模湾のアマダイ攻略
では次に、「相模湾のアマダイ」を「より多く釣る」という観点で、私なりの攻略法を整理したいと思います。
釣果を伸ばすならノーマルタックル
まず、釣果を重視するなら釣法は「ノーマルタックル(エサ釣り)」で決定でしょう。理由は前述の通り、釣果を伸ばすために探索範囲を広げるため、つまりは深場を探るために重い錘を使う必要があるからです。
特に相模湾は数百m沖へ出ると急に深くなっており、アマダイのポイントも深いところでは100mを越えるため、80号ほどの重めの錘を使うケースが多いのです。
ライトタックルを使い、感度を上げてアタリに合わせを入れることで釣果を伸ばす方法も考えられますが、アマダイはエサを「くわえる」魚ではなく「吸い込む」魚。よってアワセを入れることで釣果が飛躍的に伸びる魚ではありません。
更には、片テンビン仕掛けには40~50号の錘が付いています。人が持っても重いと感じるオモリを、体長30~40cmのアマダイが口で引っ張る訳ですからその時点で相当な抵抗を感じるはずで、その錘が少し軽くなったところでアマダイの警戒心を軽減できたりするものではないと思います。釣果にさほど影響がないのであれば、重い仕掛けで範囲を広げてより多くのアマダイを誘える方が効率的なはずです。
ではここで、私が相模湾アマダイ対策で使用するノーマルタックル仕掛けをご紹介します。
起伏に富んだ相模湾の水深を攻める竿
起伏に富んだ相模湾で私がアマダイを狙う際に使用する竿は、「DAIWAのリーディングX210M」。
もう7.8年前の竿ですが、相模湾のアマダイ釣りに必要な要素「先調子」「錘80号に対応」を満たす竿です。
ちなみに80号の錘を乗せると、しなり具合はこんな感じ。
きれいなへの字を描いてしなり、誘いを入れる際も曲がりすぎず操作性が良いです。
また、150号まで背負えるパワーも備えていますので、魚をかけた際も程よくしなって相手の勢いを吸収し、安心して巻き上げられます。
メーカー生産終了しているので新品はもう手に入りませんが、中古で15000円程で流通しています。汎用性が非常に高く、様々な釣りに対応できるオススメロッドです。
アマダイ専用竿はライトタックル寄りの仕様の製品が多いため、重い仕掛けが有効な相模湾では少し柔らか過ぎます。そのため、専用竿ではないこの竿の方がむしろ相模湾のアマダイには適していると私は思います。
同じくらいの価格で新品の竿が欲しいということなら「シマノライトゲームBBモデラートタイプ73 H195」はいかがでしょうか。
この竿は船釣り初心者へ川馬がオススメしている竿ですが、アマダイ釣りに最適で、錘負荷もリーディングネライと同じ30-150号です。以下のページでより詳しく紹介していますのでご参考まで。
「ライトゲームBBモデラート」は、釣具メーカーシマノ(SHIMANO)が製造する船用釣竿。先日、相模湾にアマダイ釣りに行った際に、一緒に乗船した友人が使っていたのがこのロッドなのですが、彼はその日、強風吹き荒れる中、その竿を使って4[…]
相模湾で多様な魚種に対応できるリール
リールについては中型電動リールであれば、アマダイのために特にこれというものはありません。
なのでここでは、アマダイ釣りに限らず、様々な魚への対応を考慮し、DAIWAのレオブリッツS500Jを私はオススメします。
電動リールは船釣りの必需品のひとつ。船釣りではターゲットにより水深100m、200mを越えてくるポイントを狙うことも多く、深さに比例し錘の重量も上がるため、手巻きのリールでは限界が出てきます。しかし電動リールは非常に高価なのがネック[…]
上記の記事でも紹介していますが、このリールのコスパは大変素晴らしいと思います。アマダイをはじめ、マダイ、イサキ、オニカサゴ、アカムツ、ライトキンメ等、相模湾で沖釣りで狙えるほとんどの魚種に対応できると思います。
テンビンは直線型
アマダイ用のテンビンには、30~40cmの片テンビンを使用します。
船釣りで使用するテンビンの形状は「弓形」が一般的ですが、繊細な当たりを捉えることができる「直線型」がおすすめです。
「Y型」や「ストレート型」など、製品によって呼び名が違うので紛らわしいですが、以下のような形のテンビンです。
テンビンの形状とその特徴については以下の記事がとても参考になりました。釣具屋さんの記事で信頼度も高いと思います。
相模湾アマダイ用の仕掛け
テンビンの下に付ける仕掛けについては
- 全長3m
- 枝スの一本付いた2本針仕掛け
- ハリスは3号
- 枝スは50cm
- 針はチヌバリ4号程度
これを基本としますが、状況に応じて工夫をしてあげる必要があります。これが一番重要。
この仕掛けが最高!とか、必ず釣れる!というそんな都合のいい仕掛けはありません。あれば市販されている様々な仕掛けは存在意義を失い全く売れなくなるはずです。
アマダイ釣りの肝は、「いかに仕掛けを底付近に保つか」この一点に尽きます。
よって、例えば潮が速い時にはガンだまを打つなどして、海中のエサの位置を常に意識することが大事です。
蛍光玉にはアピール力はありますが、付けると潮の影響で浮き上がったりして、イメージ通りの場所に仕掛けを運べない難しさがあり、私は無駄なものは一切付けず、針と糸だけの究極にシンプルな仕掛けを使っています。
タナを合わせて、長めのハリスでエサを自然に漂わせることで、派手な仕掛けより釣果をあげることができるのではないかと思います。実際私の経験上、全く装飾のない、針にケン(エサのズレ防止の返し)すら付いていないごく単純な仕掛けの方が、蛍光針、蛍光玉を使用したギラギラの仕掛けよりも高い釣果をあげています。
蛍光針、蛍光玉が悪いわけでなく、こういうものは初めはつけておかず、状況に合わせるための手段として適宜使用する形がよいでしょう。
私の相模湾アマダイ攻略まとめ
相模湾のアマダイ攻略について以上の内容をまとめると
- 釣り方はノーマルタックルでのエサ釣り
- 竿は先調子の80号負荷対応
- リールは中型電動リールであれば拘り無し
- 仕掛けは長いハリスでシンプルな2本針
- エサが底付近に常に漂うように意識する
以上のポイントをおさえると、釣果がついてくると思います!
参考いただき竿頭を狙ってみてください!