【雨の日は釣れる】説を検証!天気と釣果の関係を本気で調べてみた!

雨の日は釣れる」という話、釣り人なら聞いたことがある方も多いと思います。

その理由は「気圧が下がる」「濁りが生じる」「栄養豊富な河川からの流入水が増える」などと言われており、理屈的には確かに魚の活性と結び付くように思います。

では、実際のところ本当に雨の日は晴れの日よりも魚が釣れるのでしょうか?

実は私が初めてバスを釣った日も雨でした。更に、初めて40cmオーバーのチヌを釣ったのも雨の日でした。

ただそれは、「釣れた日がたまたま雨だった」という話でしかなく、雨の日が晴れの日より釣れることの証明にはならないでしょう。

そして何を調べても、釣りは雨の日の方が有利であることをはっきりと明示する情報は見当たりませんでした。

だったら自分で確かめてみよう!ということで、今回はその「雨の日は魚が釣れる」説を私なりの方法で検証し、天気と釣果の関係について調べてみたいと思います。

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「雨の日は釣れる」説を検証する方法

「雨の日は釣れる」説を検証するために私が考えた方法は以下の2つです。

  1. 釣りアプリの釣果予測
  2. 雨の日と晴れの日の釣果比較

その具体的な方法をは以下の通りです。

①釣りアプリの釣果予測

雨の日が釣れるのか検証する方法の一つとして私が考えたのが、釣りアプリの釣果予測機能です。

具体的には「タイドグラフBI」という無料の釣りアプリを使用してみます。

このアプリ、単にタイドグラフを参照できるだけでなく、当日の天気・水温・風速・風向・波高等を各ポイント毎に一覧で確認できる優れ物。そしてここでは当アプリの目玉機能「釣れやすさ」を示す指数「爆釣指数(BI)」を利用します。

なお、「爆釣指数(BI)」については以下の記事で釣果と相関があることを検証済みです。

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BIと釣果の相関

また、ホームページを確認すると、以下のような説明がありました。

BIは潮汐や複数の自然条件など魚の食活性に関係するあらゆる要素と過去の釣果データを独自のノウハウで数値化し、1時間毎の魚の釣れやすさを導き出しています。ポイントごとの自然条件を考慮しているので、ピンポイントで魚の釣れやすさを詳細に判断できます。

出典:釣割

この「複数の自然条件」に「天気」が含まれているなら、雨の日は釣れるのか簡単に確かめることができるはずです。

②雨の日と晴れの日の釣果比較

雨の日が釣れるのか検証するために考えた2つ目の方法は、雨の日と晴れの日の釣果比較です。

しかし、釣果に影響する要素は当日の天気だけでなく、季節、水温、潮汐、前日の海の状況、魚の気分…など多岐にわたり、そう単純に比較することはできません。

天気以外の条件を完全に同じにして比較することは困難です。よって完全に条件が整えられない分は、サンプル数を増やし傾向を掴みたいと思います。

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釣りアプリで雨の日に魚が釣れるか検証

ではまずは、1つ目の方法「スマホ釣りアプリ タイドグラフBI」で、雨の日には晴れの日より魚が釣れるのかを検証してみます。

釣りアプリでの検証方法

釣りアプリを使った検証は以下の方法で行います。

  1. 全国各所のポイントから東西バランスよくランダムに、サンプルとなる場所を3箇所選ぶ。
  2. 本日(6月1日)から7日後(6月8日)のサンプル場所のBIをスクリーンショットで記録。
  3. 翌日(6月2日)に、再度6月8日のBIをスクリーンショットで記録
  4. ②と③のBIを比較

何故こんな面倒な手順を踏むのかというと、このアプリが天気予報を各ポイントのページに反映するのは一週間先だからです。

②で記録した天気予報反映前のBIと、③で記録した天気予報反映後のBIを比較すれば、雨の日に釣れるかどうかを数値で証明できると考えました。

BIには天気が加味されない!?

さて、ここで残念な事実が発覚しました。なんとタイドグラフBIの爆釣指数BIには、天気の影響が加味されないことが分かってしまいました…。

上記の方法で比較した以下のサンプルをご覧ください。

雨の日の爆釣指数

1件目のサンプルは沖縄の糸満港です。右が天気反映前、左が天気反映後。星マークがBIを表していますが、雨予報なのに全く変化なし。

そんな…だってホームページのアプリ紹介文には「複数の自然条件など魚の食活性に関係するあらゆる要素」と謳っていたのに。これに天気が入らなきゃ一体何が入るのでしょう。

何かの間違いだと思い、2つ目のサンプルを確認すると…

晴れの日の爆釣指数

2件目は千葉県浦安港。晴れの日ですがBIに全く変化なし。

嘘でしょ?と思い、3件目のサンプルを確認すると…

曇りの爆釣指数

こちらは北海道の幌漁港。曇りで風が6m以上吹いていてもやっぱりBIに変化なし

BIについては釣果との相関を確認して信頼しきっていただけに、天気の影響が反映されないとは思いもよりませんでした。

釣りアプリでの検証結果

釣りアプリを使い、雨の日に魚が釣れるか検証しようとしたところ、そもそもこのアプリの爆釣指数BIには天気の影響が反映されないという事実が発覚。検証は失敗か?と思われました。

…しかし、このBIが釣果と相関を持つことは前の記事で実証済み。ならば逆に今回の結果を素直に受け止めると、「天気は釣果に大して影響しない」とも捉えることができるのではないでしょうか。

「晴れでも雨でも同じように釣れる。」苦し紛れではありますが、とりあえずこれを釣りアプリによる検証結果としておきます。

雨の日と晴れの日の釣果を比較

次に、方法2つ目「雨の日と晴れの日の釣果比較」により、雨の日に魚が釣れるのかを検証します。

釣果比較での検証方法

釣果比較にあたっては、天気以外の条件を極力揃えるため、測定場所は変えずに、かつなるべく大量のデータを使って比較したいということで、毎日多くの釣り人が訪れ釣果もしっかり更新されている首都圏の海釣り公園の釣果報告を参考にしました。

そして同じ場所・季節・潮回りで、雨の日と晴れの日の釣果を集計してみます。

また釣果は、魚種別に以下の表のポイントに換算して算出することにします。

魚種ポイント(P)
アイナメ3
アジ1
アナゴ5
イシモチ3
イワシ1
イナダ5
ウマヅラハギ3
ウミタナゴ3
オオモンハタ5
カサゴ3
カワハギ5
カレイ5
キジハタ7
クロダイ10
コノシロ1
サゴシ5
サッパ1
サバ3
サヨリ3
サワラ10
シリヤケイカ5
シロギス3
シャコ3
スズキ7
セイゴ3
タコ5
タチウオ5
ダツ3
ドンコ1
ニベ3
ハゼ1
ヒラメ10
フグ1
フッコ5
ベラ1
ボラ3
マゴチ7
メゴチ1
メジナ3
メバル3
ワカシ3

この私の独断と偏見による配点については物議を醸しそうですが、海釣り施設で釣れるアジやメジナは小物が多かったりするので少し低めに付けるなど、釣場の実状を踏まえて設定してみました。

雨の日と晴れの日の釣果比較

では上記の方法で、雨の日と晴れの日の釣果を集計し比較してみます。

神奈川で屈指の人気を誇る釣り公園「本牧海釣り施設」の4月〜6月の長潮の日の釣果を比較すると以下の通り。

天気水温来場者数釣果計一人当たり釣果
16.5177640636.2
16.0134330124.6
19.55357810.9
21.531411133.5

水温16度台の時期では、雨の日、晴れの日共にイワシが爆釣した影響でポイントが高いですが、比較すると雨の日の方が釣れています。

水温が19度を超える時期でも一人当たりのポイントで比較すると雨の日の方が釣れています。

ちなみに、イワシの爆釣がポイントのバランスを崩しているようにも見えるので、上記の集計からイワシの釣果を度外視してみると以下の通り。

天気水温来場者数釣果計一人当たり釣果
16.51777114.0
16.01344713.5
19.5533536.7
21.53146382.0

やはり、一人当たりの釣果では雨の日の方が釣れていることがわかります。

次は同じく本牧海釣り施設で、堤防釣りのベストシーズン10月の大潮の釣果を比較してみると以下の通り。

天気来場者数釣果計一人当たり釣果
805587.0
2875642.0
938389.0
3448452.5

上段2行は大潮二日目、下段2行は大潮四日目の比較ですが、やはり一人当たり釣果は雨の日の方が圧倒的に高いです。

しかし、この結果を持って「雨の日は晴れの日よりも釣れる」と結論づけるにはまだ早い気がします。

というのも、雨の日は晴れの日に比べて来場者数が少ないことが気になります。人数が多くなる分競争率が高くなり、一人当たりが手に出来る釣果は少なくなってしまうからです。

雨の日は釣り人が減ることを含めて有利とも言えるかもしれませんが、人数も同条件で比較しなければ、本当の意味で天気と釣果の関係を解き明かしたことにはなりません

そこで、比較的釣り人が少なくなる(よって人数差も抑えられる)平日の同じ潮周りで雨の日と晴れの日の釣果を比較してみたのが下表。

天気潮周り水温来場者数釣果一人当たり釣果
中潮16.074137418.6
中潮15.580134016.7

雨の日と晴れの日の比較で、人数、水温、潮周りなど他の条件がほぼ同じだなんていうのはかなりのレアケースで、一年間遡っても抽出できたのは今年4月の上記データのみでした。(それも晴れでなく曇りですが。)

これを比較してもあまり大きな差異は見られませんが、それでも若干雨の日の方が釣れています

釣果比較での検証結果

雨の日がより釣れるかどうか、様々なケースでの釣果を比較しましたが、何れも「雨の日の方が魚が釣れる」という結果となりました。

サンプル数が少なく、比較環境も完全には整わない中での検証でしたので、この結果を持って雨の日の方が絶対に釣れる!と断言することは出来ませんが、全てのケースにおいて雨の日が優位だったことは、一つの判断材料になるのではないでしょうか。

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雨の日でも釣りを楽しもう!

雨上がりの釣り

以上、私なりの方法で天気と釣果の関係を調べて見た結果、まことしやか感のあった「雨の日は釣れる」説にも信憑性が湧いてきました。

アプリによる結果はこじつけがましいですが、釣果比較による結果が軒並み雨優位だったことには、ここまで明確に差が出るのかと正直驚きました。

釣り人が少なくなることにより、競争率が下がる、釣り場を広く攻められるという、間接的なメリットが影響するところも大きいかとは思いますが、少なくとも雨によって釣果が下がる可能性は低いと言えるでしょう。

ですので皆さん、待ちに待った釣りの日が雨でも落ち込まず、釣りを楽しんでください!むしろ雨を喜ぶべきかもしれません。

ただし、ここで言う「雨の日」は、海釣り公園で平日でも数十人の客が訪れるくらいの、釣りに差し障りない程度の雨だということをご承知おきください。どしゃ降りの悪天候の日は危険で、釣りどころではなくなりますのでくれぐれもご注意を。

なお、潮回りと釣果の関係も調べてみたので、以下の記事をご参考まで。

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