テトラポットや消波ブロックなどの隙間から居付きの根魚を狙う「穴釣り」。
カサゴ、キジハタ、アイナメなど食べて美味しい魚が釣れる上、厳寒期にも一定の釣果が期待でき季節を問わず楽しめるとあってファンの多い釣りです。
仕掛けが単純で初心者でもトライしやすいことからも、近年人気を集めています。安い道具で構わないからまずは実践してみたいという方も多いはず。
そこで今回は、釣り歴30年の私がその穴釣りに必要な道具をコスパ重視で厳選してご紹介したいと思います。
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穴釣りの道具選びのポイント
まず、穴釣りの道具選びのポイントを以下にまとめます。
穴釣り用のロッドとリールは安くて良いものを見極めよう!
穴釣りで使う竿(ロッド)とリールは安くて良いものを見極める必要があります。
安くて良いものを…そんな誰もが常に心掛けている当たり前の話をなぜここで強調するのか、少し掘り下げて説明します。
まず、穴釣り用のロッドとリールは比較的低コストで製造できます。なぜなら穴釣りに求められるタックルの機能が至ってシンプルだからです。
ターゲットとなる根魚は、餌を見ると積極的に食いつき当たりも明確なので、穴釣りの竿に高い感度は必要ありませんし、魚に根に潜られる前に釣り上げたいので穴釣りのリールはドラグ機能を使いません。
そこで注意が必要な点が、低価格帯のロッド・リールは製造にも高い技術を要しないとあってか、見慣れないメーカーの格安品が多く見受けられること。
中には良いものもあるかもしれませんが、ここは技術力で安く良いものを作れる大手釣具メーカーの製品を選ぶべきと私は考えています。
格安品より値段は1000円ほど高くても、大手メーカーが信頼を維持しうる最低限の機能を有しているはずと考えるとむしろお得ではないでしょうか。
穴釣りでは安全装備が重要
穴釣りのターゲットとなる根魚は餌をチラつかせると比較的簡単に食ってきます。よって釣り方云々ではなく「魚の居場所を探すこと」が穴釣りの肝と言えます。
そのため、人の探りづらい足場の悪い場所を攻め、ついつい危険を冒してしまいがちです。
デコボコした足場を渡り歩きながらポイントを探る危険と隣り合わせの穴釣りには、万全の安全装備で臨みましょう。特に滑り止め付きの靴とライフジャケットは不可欠です。
穴釣りに必要な道具
以上を踏まえて、穴釣りに必要な道具を以下にご紹介します。オススメを複数挙げると悩んでしまうと思うので、私ならこれを選ぶ!というアイテムを厳選しましたのでご参考まで。
穴釣り用のロッドには「ダイワ 穴釣り専科」がおすすめ
私が穴釣りにオススメするロッドは「ダイワ 穴釣り専科」です。
大手釣具メーカーダイワが2020年3月にリリースした最近の穴釣り専用竿なだけあり、利用者のニーズをしっかりとおさえています。
「穴釣り専科」の特徴
穴釣り用ロッドには安いものが多く流通していますが「すぐ折れる」など耐久性に不安のある製品が多い中、このロッドは、実売価格3000円前後と安価でありながら、耐久性に優れ、かつ以下のような機能を搭載しています(出典:Daiwa)。
- スピニング、両軸どちらも対応可能なリールシート
- 軽量かつ繊細なグラスソリッドティップで食い込みと抜群の目感度
- 穂先トラブルでもソリッド部のみ交換可能な3ピース構造
- 持ち運びトラブルを防ぐよう元竿に穂先が収容可能
このように、穴釣りに必要な機能を搭載しかつ安価でコスパの高い竿だと思います。
大手釣具メーカーなら粗悪な製品は作らないという安心感もありますね。
「穴釣り専科」の口コミ評価
穴釣り専科は口コミでも高い評価を得ています。
全体的な完成度良く、この値段でこのクオリティは凄いと正直驚きました。
硬さもちょうど良いくらいです。出典:amazon
全体的に「コスパが高い!」との声が多く見受けられました。
釣具店では手に入らないのでネットで購入しました。少し不安はありましたが、軽さとコストパフォーマンスに驚きました。
また、筏釣りや小型ボート釣りにも使用できる汎用性も持ち合わせており、持っていて損はないロッドだと思います。
長さは130がオススメ
ダイワ 穴釣り専科には長さが110、130、150と3タイプあり悩みどころですが、私は130をオススメします。
短いほど取り回しやすいのは確かですが、狙いたい穴がいつも都合よく手前にあるわけではないので、ある程度長いほうが便利です。しかし反対に長過ぎると当然扱いづらくなります。
私の思う穴釣りロッドの適正な長さの基準は、竿を片手で持ったとき、もう片方の手で穂先に触れられる範囲の長さであること。穂先に手が届かなくなるとライントラブルを手早く解消できず、一気に扱いづらくなります。長さ150cmだと大人の男性でギリギリ穂先に届くか届かないか。ということで130cmがちょうどいいと感じています。
穴釣りのリールには「シマノ クラブデミ」がオススメ
私が穴釣りにオススメするリールは「シマノ クラブデミ」です。
「シマノ クラブデミ」の特徴
シマノ クラブデミは、穴釣りに求められる機能をしっかり備えながら、実売価格が3000円を切るコストパフォーマンスの高いリールです。
搭載機能は以下の通り。
- ワンタッチスプール着脱システム
- 左右両用システム
- 糸カミ防止機構
- クリックアジャストスプールコントロールツマミ
- ラインホルダー
操作性の優れた小型ベイトリール(両軸リール)で、糸カミも防止でき、左巻きにも対応。穴釣りに必要な要所はおさえられています。またギア比が高く、魚が根に潜る前に巻き上げることができる点も穴釣りに有利です。
基本的に直下に落とすスタイルの釣りであれば、穴釣り以外にも使えます。
「クラブデミ」の口コミ評価
穴釣り用のリールとしての「シマノ クラブデミ」の口コミ評価は以下の通り。
穴釣り用に購入!
ブレーキが効く状態での操作が秀逸!
指で押えつつ、やり取りが楽でスピーディーな操作ができます。オススメです。
性能を評価する声が多く、同価格帯のダイワ コロネットと比較してもクラブデミを推す口コミが多く見られました。
デミの方がギア比が高く、糸止めがしっかりしてるのでバッグに入れてても不安が無いです。
穴釣りにオススメのライン
穴釣りにオススメのラインは「デュエル CN500」の3号です。
穴釣りにオススメの仕掛け(ブラクリ)
私が穴釣りにオススメする仕掛け(ブラクリ)はダイソーのブラクリです。
その理由について、ブラクリを以下の3つに大別して考えていきます。
- 釣具メーカーのブラクリ
- 自作のブラクリ
- ダイソーのブラクリ
この3つのブラクリの特徴を以下のように整理してみました。
タイプ | 価格 | 品質 | 手軽さ |
釣具メーカーのブラクリ | ✕ | ○ | ○ |
自作のブラクリ | ○ | ○ | ✕ |
ダイソーのブラクリ | ○ | △ | ○ |
決め手は値段の安さと手軽さです。
価格については、釣具屋で売っているブラクリは3個入りで300円ほどですが、ダイソーのブラクリは2個入りで100円。つまり約半額程で手に入ります。そして、作る手間もかかりません。穴釣りは根がかりによる仕掛けのロストが多いので、安くて手軽に手に入る点は重要です。
一方、品質には少し不安はあります。例えばダイソーのメタルジグの場合、フックが心もとないので私は必ず付け替えて使っています。しかし、こと穴釣りに関してはそこまで繊細な釣りではないので、品質は重視しなくてよい要素だと考えています。
以上を総合し、穴釣りにはダイソーのブラクリが最適!と私は考えています。
穴釣りにオススメのライフジャケット
穴釣りは足場の悪い中、竿を片手に歩き回る釣りになるので、他の釣りに比べて転落のリスクが高くなります。
そんな穴釣りにはライフジャケットが必需品。中でもおすすめのライフジャケットは「リーフツアラーのシュノーケリングベスト」です。
ポイントは、以下の通り。
穴釣りには固型式がオススメ
ライフジャケットには固型式と自動膨張式の2種類のタイプがありますが、穴釣りには固型式のベスト型が向いています。
穴釣りはテトラや消波ブロックなど障害物の多い中で釣りをするため、転落の際に胸を打ち付けて大怪我を負うことも考えられますが、固型式は着用することでケガの防止にも繋がります。
自動膨張式はコンパクトで動きやすく、沖釣りなどでは非常に重宝しますが、傷付けてガスが抜けると浮力を失ってしまうため障害物のある穴釣りには不向きです。
いざというときに機能しなければ意味がないので、このような腰巻き型の自動膨張式タイプは穴釣りでは避けましょう。
価格が安い
価格の安さも魅力です。穴釣りは竿とリールが安く揃う!と喜んでいても、その他のアイテムにお金をかけては本末転倒です。
実売価格3000円台なら許容範囲内ではないでしょうか。
泳ぎやすく動きやすい
この製品は、泳ぎやすく動きやすい点が特徴です。
一般のライフジャケットは浮いて救助を待つことを目的に作られていますが、この製品は泳ぎのサポートを目的に作られています。写真の通り水中でも体にフィットし泳ぎやすい構造になっています。
また薄くて陸上でも動きやすい点は、アクティブにポイントを探る穴釣りに向いていると思います。
穴釣りにオススメの靴
私が穴釣りにオススメする靴は、日進ゴムのハイパーVソールスニーカーです。
オススメの理由は以下の通り。
穴釣りに必要なグリップ力
テトラや消波ブロックを歩く穴釣りには、転倒防止のためにグリップ力の高い靴が必要。釣り用の靴というと最近では以下のようなタイプのソールが主流です。
- ラジアルソール
- スパイクソール
- フェルトソール
- フェルトスパイクソール
- ハイパーVソール
それぞれに一長一短があるのですが、私の主観ではこんなイメージ。
ソールの種類 | テトラ | 苔 | 岩 |
ラジアルソール | △ | ✕ | △ |
スパイクソール | ○(但し凹凸ないと✕) | △ | ○ |
フェルトソール | △ | ○(但し乾いていると△) | △ |
フェルトスパイクソール | △ | ○ | ○ |
ハイパーVソール | ○ | △ | ○ |
※上表は右にスクロールできます。
また、それぞれの短所を整理すると以下の通り。
- ラジアルソールは基本グリップ力が低い。
- スパイクソールはテトラ表面がツルツルだと逆に滑る。
- フェルト系は基本的に濡れていないと真価を発揮しない。
ちなみに私は、以前穴釣りにフェルトスパイクの靴を履いていったことがありますが、ソールが固いので特に丸型ブロックでは不安定で、かなり危険と感じました。フェルト系は足場との相性の良し悪しが顕著に出ると実感しています。
そう考えると、やはり「ハイパーVソール」がオールラウンドに使える穴釣り靴として最適です。
コスパ重視なら釣具メーカーでないものを
このハイパーVソール、ダイワなど釣具メーカーでも採用されています。しかしコスパを考えるなら、釣具メーカーを介さない純粋な日進ゴムの製品が値段も手頃でオススメです。
その他穴釣りに必要な道具
穴釣りを始めるために必要なその他の道具もまとめておきます。
- 糸切りバサミ(ラインカッター)
- ペンチ(フィッシングプライヤー)
- タオル
- 水くみバケツ
- メゴチバサミ
これらは基本的に穴釣りに限らず海釣りでは必要なものなので、既にお持ちの方は読み飛ばしてください。
釣りが初めての方にとっては、ロッドやリール以外のこのような小物を揃えるのが意外と大変なんですよね。
手っ取り早く、かつ安く揃えたいところですが、小物だけのセットってあまり見かけません。
とりあえず水くみバケツ・プライヤー・メゴチバサミの三点セットはネットで発見しました。
その他の道具は、釣具屋や100円ショップなどで極力安いものを選ぶと良いです。
なお、釣り全般に必要な道具の詳細は以下の記事にまとめているのでご参考まで。
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コスパの高い道具で穴釣りを楽しもう!
以上、穴釣りに必要な道具について、コスパを踏まえた私のオススメを紹介しました。改めてまとめると以下の通り。
- 竿はDAIWA穴釣り専科M130
- リールはshimanoクラブデミ
- ラインはナイロン3号
- 仕掛けはダイソーのブラクリ
- ライフジャケットはリーフツアラーのフローティングベスト
- 靴は日進ゴムのハイパーVソールスニーカー
- その他、ラインカッター、プライヤー、タオル、メゴチバサミ、水くみバケツ
なお、これらを全て購入するために必要な予算は約1万5千円〜2万円程です。
以上、リーズナブルに良いものを揃えて穴釣りを楽しみましょう!この記事がその一助になれば幸いです。
なお、その他の釣り方にも興味のある方は以下の記事も参考にしてみてください。
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