「金魚の寿命って何年?」
気になってネット界隈の情報を調べてみると、和金は5年〜15年、ランチュウは5年〜10年など、品種により異なることがわかります。
しかしもう少し正確な、例えば人間の寿命のように、統計データ等に基づいた根拠のある情報はないものか?と調べてみたもののなかなか見当たらず…おそらくそんなものは存在しないのでしょう。
だからといって、今から金魚の研究を行うような器量も私にはありません。ならば今できる限りのことを!ということで、今回は巷の口コミ情報等をかき集め、私の主観で金魚の品種別の寿命を身勝手に整理していきたいと思います。
金魚の寿命を品種別に整理
金魚の寿命を品種(種類)別に一覧に整理すると以下の通りです。
品種名 | 平均寿命 |
和金 | 8年 |
琉金 | 7年 |
出目金 | 5年 |
コメット | 8年 |
朱文金 | 8年 |
和蘭獅子頭 | 6年 |
らんちゅう系 | 5年 |
水泡眼 | 6年 |
ピンポンパール | 5年 |
丹頂 | 6年 |
なおこの一覧は、手当り次第かき集めたネット上の金魚の寿命に関する情報を、私の経験と勝手な解釈をもって精査し、超非公式に認定した結果ですので悪しからず。
このうち、人気の金魚をピックアップして以下にご紹介します。
和金の寿命
和金は寿命の長い品種として有名ですが、ブログ等のネット掲載情報で主なものは以下の通りでした。
和金の寿命 | 参考サイト |
8年〜15年 | suumoジャーナル |
5年〜10年 | Woriver |
5年 | きんぎょりうむ |
15年 | トロピカ |
43年という金魚最長のギネス記録を保持する品種なのですが、ネット情報を収集してみると寿命は5年〜15年。意外と短いなという印象。
43年生きた記録をもつ金魚の寿命が5年ということに違和感を覚えたのですが、金魚すくいで弱ったものが出回るなどの理由で短命に終わるケースが多く見られるようです。
また、価格も安く丈夫で初心者が手を伸ばしやすいので、うまく飼育されずに長く生きられない面もあるかと思います。
更に、和金は餌としても使われます。よく「小赤」として販売されている餌金は和金です。半年弱で成魚になり、それが数十匹単位で餌として消費されていく訳ですから、本気で寿命の統計をとったらおそらく相当短く出るだろうと思います。
ということで、和金の寿命はケース別に考えるべきかと思い、以下のように整理しました。
- 餌金、又は初心者にずさんに扱われた場合:約半年
- 元々お祭りなど屋台の金魚すくい等で消耗していた場合:約5〜8年
- 初めから環境を整えて大事に育てた場合:約15年
強いがゆえに過酷な使命を背負って早死してしまう不憫な金魚、和金。ですが、飼育環境に恵まれればかなり長生きします。手に入れたら、安いからといってぞんざいに扱わず大事に育ててあげたいものですね。
琉金の寿命
琉金も和金と同様、寿命が長いことで知られる品種です。
ネット上の情報は主に以下の通りでした。
琉金の寿命 | 参考サイト |
5年〜6年 | きんぎょりうむ |
5年 | Woriver |
5年〜8年 | トロピカ |
5年〜7年 | aruna |
平均寿命としては5年から8年という情報が多く、中には10年以上生きる琉金もいるとのこと。
ちなみに余談になりますが、私が子供の頃飼っていた琉金は、転覆病を発症しながらも2年ほど生きました。他に飼っていた出目金、ランチュウより長生きしましたね。
ひっくり返りながらも懸命に生き抜こうとする姿に子供ながらに感動を覚え、他の金魚は品種名で呼ぶ中、その琉金にだけは「ポチ」と名付けて最期まで可愛がったものです。
そんな生命力の強さと根性に敬意を表し、ここでは琉金の寿命は7年と認定します。
出目金の寿命
出目金はあまり長生きしない印象が強いんですが、口コミ情報等は以下の通りです。
出目金の寿命 | 参考サイト |
5年〜6年 | トロピカ |
5年〜6年 | きんぎょりうむ |
5年〜6年 | Pet Pedia |
5年〜6年 | 熱帯魚図鑑 |
軒並み5年〜6年で、10年以上生きるものもいるとの情報。意外と長いですね。
「デメキンは長生きしない」イメージが定着しているのは、金魚すくい業界の戦略でしょうか。何しろ和金一匹約50円に対し、出目金は一匹約500円。一回100円の金魚すくいで出目金を乱獲されたら大赤字です。
いやしかし、黒一点の出目金に惹かれた客から集中砲火を浴び弱ってしまうため、長生きしないのは真実なのかもしれません。
…まあ、そこを勘ぐっても埒が明かないので、別の視点から考えてみます。金魚は交雑等を重ねることで寿命が縮まるという話を聞いたのですが、出目金はどうでしょう。
系統図を確認してみると…
小さくて見づらいですが、黒出目金が誕生するまでには、まず和金の突然変異から琉金が誕生し、その琉金が突然変異し赤出目金が誕生。そして赤出目金が突然変異し、ようやく黒出目金が誕生という流れを辿ります。
突然変異というのも、何やら病的原因による奇形を作為的にかけ合わせたものらしく…それを聞くと、やはり生まれつき病弱なんじゃないかと疑いたくなります。
また、体型的にもハンデを負っていると思います。目玉がやたら重たくて泳ぐのに余計な体力を消耗しそうですし、突き出た目玉は傷つきやすいです。
以上を総合すると、少なくとも元の琉金より寿命にプラスとなる要素が全く見いだせません。ということで、ここでは出目金の寿命は琉金より短めに5年と認定しておきます。
らんちゅうの寿命
らんちゅう(蘭鋳)は寿命が短いと良く聞く品種ですが、ネット上の情報はどうなっているでしょう。
※ここでは江戸錦、桜錦等のらんちゅう系をまとめてらんちゅうとします。
らんちゅうの寿命 | 参考サイト |
5年〜6年 | 熱帯魚図鑑 |
5年〜10年 | きんぎょりうむ |
10年 | pepy |
5年〜10年 | Woriver |
短いと言われている割には上図の通り比較的長めに紹介している情報が多いようです。
まず、らんちゅうは寿命が短いと言われる理由を整理すると、主に以下の2点があげられます。
- 交雑等を重ねていること
- 品評会目的で負担のかかる育て方をしていること
①については、交雑等を重ねると寿命が縮まる説は出目金の項でご紹介した通りですが、系統図を確認すると、らんちゅうは和金の突然変異したマルコの突然変異で作出されることが分かります。
そしてここからが複雑で、和蘭獅子頭と掛け合わせた「秋錦」、東錦と掛け合わせた「江戸錦」、その江戸錦と更に掛け合わせた「桜錦」など交雑のオンパレード。それに観賞用に趣きを重視し、泳ぐ機能は二の次で作出されるため、生まれつき身体が弱くなる訳です。
また②については、見栄えを良くするために無理に餌を食べさせます。そのため品評会目的(特に当歳)のランチュウは比較的短命に終わると言われています。
以上を踏まえて、らんちゅうの寿命はケースに分けて以下のように整理しました。
- 飼育環境をしっかり整えVIP待遇で育てた場合:7年
- 品評会出場(当歳)目的の場合:3年
- 他の金魚と混泳させるなど雑に育てた場合:1年
潜在的な生命力は和金などに比べ劣っているはずですが、価格が高いので大事に育てられ意外と長寿に繋がっていると思われます。
金魚は犬や猫と同じくらい長生きする
以上、金魚の寿命は品種別にみると5年〜8年の間が多く、環境を整え大事に育てれば10年以上生きることがわかりました。犬や猫と同じくらい長生きできる生命力を持っているんですね。
また同時に、金魚の寿命を正確に把握することは非常に難しく、やむを得ずかなり主観に偏った報告ともなりました。その主な理由は以下の通りです。
- 金魚の寿命は同じ品種でも飼育環境により大きく差が出る
- 飼育環境の良し悪しは、金魚の品種によっても差が出る
更に、餌用の量産、品評会目的の飼育と選定、観賞用に交配を重ねられてきた歴史…なんだか限りなく漆黒に近いディープブルーな世界を垣間見た気もします。
なかなかに奥が深い金魚の世界。ただいずれにせよ、手に入れた金魚は大事に育て長生きさせてあげたいですね。この記事がその一助となれば幸いです。