ダイワから2020年10月に、汎用ルアーロッド「セブンハーフ(7 1/2)」が発売されました。
…ところでここ最近、釣具メーカーがこぞって「バーサタイルロッド(万能ロッド)」の販売に力を入れている気がします。
ダイワで言うと、2020年3月にマルチルアーロッドとして「オーバーゼア」「オーバーゼアAIR」、2020年4月にはルアー汎用パックロッドとして「クロスビートsw」を続々とリリース。
シマノで万能ロッドと言えば、「FREEGGAME(フリーゲーム)」「BORDERLESS(ボーダレス)」「WORLDSHAULA(ワールドシャウラ)」あたりでしょうか。
今や一口に「万能ロッド」と言っても、長さ、硬さ、素材の違いなどにより、その種類は数百にものぼる状況です。シマノのボーダレスシリーズだけでも120近いラインナップがありますからね…。
それぞれ持ち味があるとはいえ、万能竿って、一本あれば万事解決するものかと思っていたんですが…。
そんな中で「ダイワ セブンハーフ」の登場。ここでリリースするからには、このセブンハーフにもそれなりの持ち味があるはず。
そこで今回は、このダイワの万能ロッド「セブンハーフ」について、その特徴を他の釣竿と比較しながら分析していきます。
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セブンハーフのコンセプト
ダイワの汎用ルアーロッド「セブンハーフ」のコンセプトは、ダイワ公式ホームページによるとこうあります。
「Create my fishing story あらゆるフィールドを自分流に楽しもう!」
…もっと自由な発想で、 好きな時間に、 好きな場所で、 好きな方法で楽しんで、 自分の好きなスタイルを見つけていただこうというわけ…
つまり「時・場所・魚種を選ばず何でもござれのマルチロッド」というところでしょうか。
しかし、前述したように今までそんなロッドはごまんとリリースされてきた訳で、もう少し掘り下げることでセブンハーフの本当の特徴が見えてくるんじゃないかと思いますので、更に詳細を調べていきます。
セブンハーフの仕様
ダイワ セブンハーフには硬さの違う6タイプのモデルがあり、それぞれの仕様は以下の通りです。
品名 | 標準全長 (m) | 継数 (本) | 仕舞 (cm) | 標準自重 (g) | 先径 (mm) | 元径 (mm) | ルアー重量 (g) | エギ サイズ (♯) | 適合ラインナイロン (lb) | 適合ラインPE (号) | カーボン含有率 (%) | メーカー希望本体価格 (円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
76ULS-S | 229 | 4 | 63 | 85 | 0.8 | 9.9 | 1-7 | – | 2-6 | 0.15-0.4 | 95 | 38,800 |
76LS | 94 | 1.2 | 10.4 | 3-15 | – | 3-8 | 0.4-0.8 | 95 | ||||
76MLS | 101 | 1.3 | 10.8 | 7-25 | 2.5-3.5 | 6-12 | 0.6-1.0 | 97 | ||||
76MS | 114 | 1.6 | 11.4 | 10-30 | 3.0-4.0 | 10-20 | 0.8-1.2 | 98 | ||||
76MHS | 123 | 1.8 | 11.9 | 15-40 | 3.5-4.5 | 12-25 | 1.0-1.5 | 97 | ||||
76HS | 133 | 2 | 12.4 | 15-50 | – | 12-25 | 1.0-2.0 | 98 |
引用:Daiwa ※この表は横にスクロールできます。
その名のとおり「全長」は7フィートと半分くらいで各モデル統一。「継数」「仕舞寸法」「価格」も同じ。
違うのは主に硬さに関連してくる「先径・本径」「重量」と、それに伴い変わってくる「ルアー重量」や「エギサイズ」「適合ライン」です。
そしてそれぞれのモデルに対応する魚種は以下の通り。
アイテム | 対象魚 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
バス | トラウト | ナマズ | シーバス | エギング | アジ メバル | 小型 青物 | ロック フィッシュ | クロダイ | +α | |
76ULS-S | ◎ | ○ | – | – | – | ◎ | – | – | – | ● |
76LS | ◎ | ◎ | – | ○ | – | ◎ | – | ○ | ◎ | ● |
76MLS | ○ | ◎ | – | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ● |
76MS | – | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | – | ● |
76MHS | – | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | – | ◎ | ◎ | – | ● |
76HS | – | – | – | ○ | – | – | ◎ | ○ | – | ● |
◎:メインターゲット
〇:サブターゲット
引用:Daiwa ※この表は横にスクロールできます。
これを見ると、最も多くの魚種に対応できるモデルは「76MLS」次いで「76MS」。逆にそれ以外のモデルは「これ本当に汎用ルアーロッド?」と言いたくなるほど偏りがあります。
シリーズ全体として多様な魚種に対応していても、大概の方は購入するのはどれか一本な訳で…。
で、私としてはせっかくセブンハーフを買うなら、持ち味である汎用性が活きる「76MLS」か「76MS」で決まりかなと思います。
セブンハーフの特徴
ダイワ セブンハーフは仕舞寸法63cmと非常にコンパクトながら、ダイワの最新技術が盛り沢山に採用されています。
特徴的な技術をいくつかあげると、
- 「X45」ブランクスをより強くする補強構造
- 「エアセンサーシート」軽量化・高強度・高感度を実現するリールシート
- 「HVF」竿に粘りと強度を加える高弾性カーボン
- 「SICリング」変形に強く高品質なガイド
- 「V-JOINT」キャストややりとりがスムーズになる接続構造
など。定価4万円近い価格からも伺えますが、かなり高品質な造りになっています。
セブンハーフと他のロッドと比較
上記の通り、セブンハーフの持ち味はズバリ「携帯性+高機能」だと思いますが、他のバーサタイルロッドと比較するとその特性がより良く分かります。
2020年リリースのダイワの新作ルアーロッドを比較対象に挙げるなら
まず「クロスビートSW」
こちらはテレスコピック型で携帯性は抜群の万能ロッドですが、価格の安い初心者向けのパックロッドになっており、機能でセブンハーフに劣ります。
なお、クロスビートswについては以下の記事で詳しく紹介しています。
2020年4月にダイワ(Daiwa)から、「クロスビートSW」が発売されます!(function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arg[…]
また「オーバーゼアAIR」
こちらは高機能な万能ロッドですが、飛距離重視で全長・仕舞寸法が長く、携帯性でセブンハーフに劣ります。
なお、オーバーゼアAIRについては以下の記事で紹介していますのでご参考まで。
ダイワのマルチルアーロッド「オーバーゼア(OVERTHERE)」が、発売から2年経過し、人気とともにラインナップを広げています。サーフ、堤防、磯でのルアーゲームで幅広く使えると評判のこのロッド、初心者用のショアジギングロッドを探して[…]
また、ダイワで、携帯性が高くかつ高機能なルアーロッドと言うと、シーバスロッドの「モアザンモバイル」「ラテオモバイル」あたりを思い浮かべますが、汎用ルアーロッドのカテゴリにそういったモデルがダイワにはまだなかったようです。
という訳で、「携帯性が高く高機能なパックロッド」というのがセブンハーフの立ち位置です。
セブンハーフで釣りの新しい楽しみ方を!
以上、ダイワの万能ルアーロッド「セブンハーフ」についてでした。
その携帯性、機能の高さから、特に電車釣行メインの上級者には大変重宝するかと思います。
ただ、私が感じるこのロッドの一番の魅力は、「一本のロッドで多様な釣りを体験できる楽しさ」にあると思います。
シーバスならシーバスロッド、青物ならショアジギングロッド、エギングならエギングロッド…と、専用ロッドを使用した方がより有利であることは確かですが、このセブンハーフならそれらの釣りにマルチに対応でき、一本のロッドで様々な引き味を味わえます。
様々なシチュエーションで常に同じ竿を使い続けることで、取り回しが上達し、感度が研ぎ澄まされ、次第に手足のような感覚で魚と対峙できるようになるのではないでしょうか。
セブンハーフはそんな風に釣りを楽しめる釣竿。単に釣果を追い求めるだけが釣りの楽しみ方ではないことに気付かせてくれるロッドだと思います。
なお、ルアーで狙える魚の種類や難易度を以下の記事でまとめたのでご参考まで。
「海の魚がルアーで釣れる!」一昔前はブラックバス一辺倒だった日本のルアーフィッシングも、その後目覚ましく進化を遂げ、近年では様々な魚をターゲットに楽しめるようになりました。特に海のルアー釣りでは、エサでもなかなか釣れない難易[…]
また、セブンハーフはその価格やコンセプトから、釣りを知っている上級者向けのロッドと私は認識していますが、値段を気にしないのであればその汎用性の高さから初心者にもオススメの竿として以下の記事で紹介しています。初心者用の釣竿をお探しの方はご参考まで。
「初心者用の釣竿」を探しているけど、正解か分からない…とお悩みの方へ、釣り歴30年の私が、ベストロッドの選び方と、オススメの一本をご紹介します。ここで重要なことは、初心者と一括りに言っても、ニーズは人それぞれ異なるということ。[…]
この記事が、皆さんの釣りの新しい楽しみ方の発見に繋がれば幸いです。